「それ、コインを投げるのと何が違うんですか?」
先日、AIが株価予測をしているという話をしたときに言われた一言だ。
正直、ぐさっときた。なぜなら、自分でも同じことを考えていたからだ。
今回は番外編として、「このAIはランダムよりも本当に優れているのか」をデータで正直に検証する。
前提:なぜ50%が基準なのか
株の翌日予測を「上がるか下がるか」の2択で考えると、でたらめに予測しても確率論上は50%正解する。
サルがダーツを投げても、コインを投げても、50%は当たる計算になる。
だから「50%を超えられるか」が、AIが意味を持つかどうかのボーダーラインだ。
実際のデータを見せる
2026年3月12日〜4月1日の15日間・904件の予測結果だ。
| 日付 | 精度 | 件数 |
|---|---|---|
| 03/13 | 87.5% | 8件 |
| 03/14 | 75.0% | 8件 |
| 03/17 | 25.0% | 8件 |
| 03/18 | 25.0% | 8件 |
| 03/19 | 87.5% | 8件 |
| 03/20 | 75.0% | 8件 |
| 03/21 | 75.0% | 8件 |
| 03/23 | 62.5% | 8件 |
| 03/24 | 34.3% | 35件 |
| 03/25 | 31.4% | 35件 |
| 03/26 | 68.8% | 154件 |
| 03/27 | 71.4% | 154件 |
| 03/28 | 61.7% | 154件 |
| 03/30 | 43.5% | 154件 |
| 04/01 | 42.2% | 154件 |
15日間合計:56.1%(904件中507件正解)
「25%の日」は何が起きていたか
3月17日、18日の連続25%。コインを投げた方が良かった日だ。
当時ちょうどこのブログにも書いたが、2日連続で最悪の結果が出て途方に暮れた。
調べてみると、この週はFRBの政策発表と日銀の動向が重なり、テクニカル指標がまったく機能しない相場だった。移動平均もRSIも、前日までのデータを基にしているから、突発的な外部ショックには完全に無力だ。
一方、87.5%の日は相場に明確なトレンドがあった日だ。上昇圧力か下落圧力が一方向に強く、テクニカルシグナルが機能しやすい環境だった。
銘柄によってこんなに違う
平均56.1%と言っても、銘柄ごとに見ると話は全然違う。
高精度グループ(7件以上・精度70%超)
| 銘柄 | 精度 | 件数 |
|---|---|---|
| セブン&アイ・ホールディングス | 100% | 7件 |
| ファナック | 85.7% | 7件 |
| 日本電産(ニデック) | 85.7% | 7件 |
| 日経平均株価 | 73.3% | 15件 |
低精度グループ(7件以上・精度30%未満)
| 銘柄 | 精度 | 件数 |
|---|---|---|
| 日本電信電話(NTT) | 0% | 7件 |
| ソフトバンク | 14.3% | 7件 |
| ダイキン工業 | 28.6% | 7件 |
NTTの0%は衝撃的だった。7回連続で外れている。
「逆張りしたら勝てるじゃないか」と思ったあなた、正しい。ただし、0%が7件続いたのは偶然の要素も大きい。サンプルが30件に達した時に、どこまで低精度が続くかが本当の問題だ。
「ランダムと違う」と言えるのか
正直に言う。
現時点では「ランダムよりやや優れている」という域を出ていない。
56.1%というのは確かに50%を上回っているが、15日・904件という少ないサンプルでは、統計的な誤差の範囲内という見方もできる。
ただ、面白いことに気づいた。
ランダムとの本質的な違いは「精度の理由が説明できるかどうか」だと思っている。
ランダムが当たっても何も学べない。だが、AIが外れたときは「なぜ外れたか」を後から検証できる。3月17日・18日の惨敗は、テクニカル指標が外部ショックに弱いという知見になった。
今後の改善方向
現在、精度の幅が「25%〜88%」と大きい。目標は、この下限を上げることだ。
低精度銘柄の扱い方を決める
NTTやソフトバンクのように、特定銘柄の精度が継続して低ければ「予測困難銘柄」として記事内で明示するか、予測対象から除外することを検討中。相場環境の識別
テクニカルが機能しやすい日(トレンド相場)と機能しにくい日(レンジ相場・イベント前後)を事前に識別できれば、「この日の予測は信頼度低」という注意書きができる。データを積み上げる
現在15日・904件。統計的に意味のある分析は100件/銘柄から。半年後には改善の方向性が見えてくるはずだ。
結論:コインとの違いは「なぜ」が分かること
「コインを投げるのと何が違うのか」という問いに、今の答えはこうだ。
精度は似ているかもしれない。でも、外れた理由を説明できる点が違う。
そしてその「なぜ外れたか」の積み上げが、コインには絶対できないことだ。
今は56.1%。目標は65%以上。道のりは長いが、毎日データが積み上がっている。
⚠️ 免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、投資判断の責任は投資家自身にあります。過去の精度が将来の精度を保証するものではありません。